2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血流シンチ併用内頸動脈バルーン閉塞試験による内頸動脈結紮術術前安全性評価の確立
Project/Area Number |
15790679
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大島 秀一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10295610)
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Keywords | 脳血流 / 内頚動脈バルーン閉塞試験 |
Research Abstract |
現在の研究課題における臨床例の集積は8例である。症例が少ないため統計学的結論を出すことはできないが、現在までのところ、当初の検討項目のうち脳血流シンチと神経症状の相関、Stump Pressureと神経症状は判定できていない(神経症状の出現の症例がない)。しかしながらStump pressureと脳血流シンチはよく相関している印象がある。つまりマタステストの判定に十分利用できる。これまでの症例で、マタステストにおける脳血流シンチの有用性が確認されつつある。一つは、理論通り閉塞開始後の短い閉塞時間での血流状態を固定して画像化できることが確認できた点である。またこの結果が従来のマタステストの基準であるStump Pressureと矛盾しない結果をだしており、十分評価に耐えることが認識できたことである。さらにStump pressureが15分の経過を追う必要があるのに対して、脳血流シンチの薬剤HM-PAOは投与後数分で脳血流状態を固定して画像化できるため、検査が何らかの原因で15分の閉塞状態を維持できない場合でも、脳血流シンチの薬剤を投与できていれば、マタステストの陽性陰性の判定ができる可能性が十分あることが認識できつつある。さらに本研究ではMRIによるMR angiographyによる脳血管の形成程度による術前予測を追加している。この検査の併用により、術前からマタステスト時の臨床症状の出現の有無、検査結果の予想がある程度可能になり、症例の集積に伴って、侵襲的なマタステストの適応を制限する十分な検査となりうる可能性が高いと考えている。脳血流シンチ併用内頚動脈バルーン閉塞試験の初期経験はH16年日本放射線学会中部地方会で発表した。今後も症例の集積に伴って発表を重ねていく。
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