2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓における組織幹細胞の分離と肝再生過程解明の研究
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15790708
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
長屋 昌樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90329300)
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Keywords | stem cell / 組織幹細胞 / 肝細胞 / 創傷治癒 / 肝再生 / 分化 / 胆管 / 温度感応性ハイドロゲル |
Research Abstract |
これまで、肝小欠損創部に温度感応性ハイドロゲル(TGP)を充填することにより肝組織幹細胞(HSC)が誘導されることを報告してきた。HSCは小欠損傷部周囲に細胆管に類似した腺管構造を呈し出現する。欠損部の修復に伴い肝細胞へと分化していくことから肝再生に関与していると考えられる。HSCは3日目ではstem cell markerであるc-Kit^+、Thy-1^+、幼若細胞のmarkerであるAFP^+、胆管細胞のmarkerであるCK19^+、肝細胞markerであるalbumin^-で、且つ増殖系markerであるPCNA^+、Ki67^+である高い増殖能を持つ細胞である。組織再生を終える28日目にはalbumin^+細胞となる。本年度の研究ではHSCの分離・培養とHSCの肝細胞への分化を試みた。HPCを誘導した7日目のラット肝臓からコラゲナーゼ灌流法及び胆管上皮細胞分離法を組み合わせて分離した。分離細胞をReverse transcription Polymerase chain reaction(RT-PCR)にて解析した結果、musashi-1^+、c-Kit^+、Thy1^+、AFP^+、albumin^+、transferrin^+、CK19^+、CX43^+であった。培養HPCをTGPにて被覆すると5週目頃より成熟過程に発現する転写因子C/EBPα^+、肝細胞における代謝酵素であるCYP2E1^+の細胞がクラスターを形成して出現し、細胞間には毛細胆管様構造が見られ、その構造に沿ってトランスポーターMRP2が発現していた。透過電子顕微鏡像においても、ミトコンドリアや粗面小包帯などの細胞内小器官に富み、グリコーゲン顆粒も有していた。これらの結果より、HSCは成熟肝細胞へ分化したと考えられた。被覆材としてコラーゲンゲルを用いた群、もしくは被覆材を用いなかった群ではこうした変化は確認できなかった。TGPが肝再生を促すことが示唆され、肝再生医療への応用など新たな可能性が期待できる。
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Research Products
(1 results)