2003 Fiscal Year Annual Research Report
RNA interference(RNAi)を利用した膵臓癌遺伝子治療法の確立
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15790711
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
浜田 邦弘 群馬大学, 医学部, 助手 (90359589)
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Keywords | 膵臓癌 / RNAi / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
まず当教室で樹立したヒト膵臓癌細胞株YAPCと腹膜高転移株であるYAPC-PDのK-ras遺伝子の変異の有無についてdirect sequence法で解析したところ,いずれも膵臓癌で高頻度に認められるコドン12の変異を認めた.次に7種の膵臓癌細胞株(YAPC,YAPC-PD,AsPC-1,MIAPaCa-2,Panc-1,BxPC-3,Hs766)のK-ras遺伝子の発現をRT-PCR法で確認したところ,全ての細胞株で同レベルの発現を認めた。 次いでK-ras遺伝子の発現を抑制するsiRNAオリゴヌクレオチドを得るためにK-ras遺伝子中の翻訳領域の2カ所を標的とする2種類のsiRNAオリゴヌクレオチドを設計した。4x10^4個の細胞(YAPC-PD,AsPC-1,MIAPaCa-2)を24時間培養後,1?gのsiRNAをRNAiFect Reagent(QIAGEN)6?lとともに細胞に添加した.24,48,72時間後に細胞を回収し,total RNAを抽出し,RT-PCR法で遺伝子の発現を比較した.対照として用いたLamin A/C遺伝子を標的とするsiRNAを添加した細胞株は全てが,24時間後から72時間後までLamin A/C遺伝子の発現の抑制を認めたのに対して,K-ras遺伝子を標的とする2種類のsiRNA添加した細胞株は,いずれもK-ras遺伝子の発現の抑制を示さなかった. このとことから,今回設計したK-ras遺伝子を標的とする2種類のsiRNAは細胞に導入されているにも関わらず,標的とした配列が適切でなかったため,K-ras遺伝子の発現の抑制を示さなかったと考えられる.現在,K-ras遺伝子中の翻訳領域の他の部位を標的とする新たなsiRNAオリゴヌクレオチドの設計,選定を行っている.
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