2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790734
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有泉 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40277158)
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Keywords | 再生医療 / 肝幹細胞 / 混合型重複肝癌 |
Research Abstract |
平成15年度の研究経過 (1)ヒト肝幹細胞に由来する混合型重複肝癌の免疫組織学的検討 ヒト肝臓内の肝幹細胞に由来すると考えられる混合型重複肝癌に対して肝幹細胞に特徴的な分子の発現を免疫組織学的に検討した。当科にて切除された混合型重複肝癌、肝細胞癌、胆管細胞癌の切除標本におけるhepatic nuclear factor(HNF3β、HNF4α)、MUC1、サイトケラチン7、8、17、18、EMA、ヘパトサイトの発現を免疫組織学的に検討し、病理学的所見と比較検討した。病理学的に肝細胞癌と診断された症例ではヘパトサイト、サイトケラチン8及び18、HNF4αが陽性であり、病理学的に胆管細胞癌と診断された症例ではMUC1、EMA、サイトケラチン7、8、17及び18、HNF3βが陽性であった。混合型重複肝癌では肝細胞癌と胆管細胞癌それぞれの特徴分子が混在して表出される症例、いずれも表出されない症例、肝細胞癌もしくは胆管細胞癌どちらかの特徴分子を表出する症例に分類された。これらの結果より、肝細胞と胆管細胞の両方の特徴を有した混合型重複肝癌は肝幹細胞が癌化したものと推測され、肝臓における肝幹細胞の存在を示唆する結果であった。 (2)ラット及びヒト肝組織中の肝幹細胞検索 ラット肝臓及び当科にて肝癌等にて切除された非癌部肝組織の固定標本をCD33、34、c-kit、OV-6、サイトケラチン19のモノクローナル抗体を用いて免疫染色を行い、ラット及びヒト肝組織中の肝幹細胞の局在を検討した。当初、ホルマリン固定標本から無染切片を作成して免疫染色を行っていたが、一部の抗体にて染色が不良であり、現在新鮮凍結標本から作成した無染切片を用いて再度検討を続けている。
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