2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工酸素運搬体と抗血管新生治療を組み合わせた固形癌の酸素化と遺伝子発現変化の検討
Project/Area Number |
15790748
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245506)
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Keywords | 人工酸素運搬体 / 固形癌 / 酸素化 / 血管新生 / 腫瘍血管 |
Research Abstract |
C57BL/6マウスにおいて脳表ウィンドウを作製した。脳表ウィンドウ作製後約1週間経過観察し、脳表に明らかな障害がみられないことを確認した。以前使用した免疫不全マウスに比べ、免疫力を有するC57BL/6マウスでは、ウィンドウ作製後急性期の炎症はより顕著にみられたが、1週間後には消退していた。ルイス肺癌株腫瘍片、直径約2mm、をウィンドウ内に移植し経過観察を行った。腫瘍径が約6mmに達した段階で、尾静脈よりFITCで蛍光ラベルされたデキストランを注入し、腫瘍の血管構築を観察した。得られた画像はビデオテープに録画し、適切なフレームを媒体に保存し、NIHイメージで捕捉し解析を行った。腫瘍血管の発達は腫瘍片移植後早期より良好であった。しかし、発育速度にはかなりのばらつきがみられた。またある大きさから発育速度が急激に増すため適切な観察時期の決定が極めて困難であった。人工酸素運搬体を投与した際の腫瘍組織酸素分圧の測定は、この発育速度のばらつきのため測定時期の決定が困難であった。このため従来の経験から発育速度がより安定しているマウス大腿部皮下移植モデルで先ず腫瘍組織酸素分圧のデータを取る方法がより適切であると考えられた。皮下腫瘍上部の皮膚を、皮下腫瘍表面を過度に傷害せずに除去する方法を現在考慮中である。これにより径時的観察は出来ないが、腫瘍酸素分圧測定時の腫瘍表面にある腫瘍血管の解析はウィンドウモデルを用いた場合とほぼ同様に可能であると考えられる。
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