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2004 Fiscal Year Annual Research Report

周産期の脳傷害がもたらす中枢神経発達障害の解明と治療

Research Project

Project/Area Number 15790769
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

野村 貞宏  山口大学, 医学部, 助手 (20343296)

Keywordshydrocephalus / heat shock transcription factor / mouse / intraventricular hematoma / white matter
Research Abstract

マウスの脳室拡大モデルを脳損傷モデルとして用いた。マウスのHeat shock transcription factorは脳室壁のneural precursor cellを支援する働きを持つと推定されている。したがってこのknock out mouseは中枢神経の形成を傷害する。出生から経時的に脳の形態を観察したところ、出生から3-4週間までは正常とそれほど変わるところがなかった。5週ごろから脳室が徐々に大きくなり、脳萎縮のような変化がみられるようになった。これは未熟児の脳室内出血後にみられる変化とよく似ている。すなわち皮質神経細胞が比較的残り、白質の形成不良になった状態である。
このマウスは四肢の動きは正常マウスと差がなく、一見は健康に見える。ところがMorris water mazeで調べるとplat formに到達するまでの時間は有意に長く、また同じ条件で繰り返し泳がせても学習効果が少ないことがわかった。
次に脳室にインクを注入して髄液循環速度を測定した。Heat shock transcription factor knock out mouseは髄液循環路の閉鎖蔀位はない。しかし髄液の循環速度は正常個体に比べると遅延している。髄液循環は髄液の産生から通過・吸収の過程が単にbulk flowとして行われるのではなく、脳の拍動によって運搬されるものである。大脳の容積が減少すると、水頭症でもそうでなくても髄液を運搬する力が弱まり、これを正常圧水頭症ということもある。われわれのモデルに用いた脳室拡大は、第一には脳室周囲組織を形成する細胞ないし、神経線維の脱落によるものであり、第2に髄液の停滞による、一種の特発性正常圧水頭症モデルといえる。
本モデルによる実験は胎児期ないし新生時期にうけた脳損傷の病態にきわめて近いものであり、残りの1年で脳室壁の軽微な損傷が脳全体に及ぼす影響ををさらに追及する予定である。

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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