2003 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類のパーキンソン病モデルに対するミニブタ神経幹細胞移植に関する研究
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15790774
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大吉 達樹 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80315407)
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Keywords | 神経幹細胞 / neurosphere / ミニブタ / nestin / Musashi / パーキンソン病 / コモンマーモセット / MPTP |
Research Abstract |
(1)ミニブタ脳における神経幹細胞の分布 通常の動物では神経幹細胞は大脳皮質,傍脳室周囲組織,海馬等に多く存在すること炉知られている.生後1週目のミニブタを使用して,ホルマリン固定後に脳の冠状断連続切片を作製し,まず通常のH.E.染色を行った.H.E.染色では海馬,線条体,脳室等の大きさや部位を確認した.つぎに神経幹細胞の特異的なマーカーであるnestinを使用して,免疫組織学的検討を行った.その結果,nestin陽性細胞は通常の成熟した神経細胞より小型で,やや紡錘形の細胞であった.特に大脳皮質と海馬に近い脳室周囲組織に多く認められた.海馬,線条体,小脳などに多くは認められなかった.もう一つの神経幹細胞の特異的マーカーである.Musashiも同様に免疫組織学的検討を行い,幹細胞の分布を確認している. (2)神経幹細胞の培養 予備実験として,まず出生直後のラットを使用した.ラット大脳皮質組織と脳幹部を含む小脳組織に分けて摘出し,それぞれneurosphere法にて分離培養し,神経幹細胞が我々の培養条件で行えるかどうか実験を行った.その結果,脳幹部を含む小脳組織に比較し,大脳皮質を含む組織からは多くの神経幹細胞が得られた.またFGF,EGFを抜いた培養液で培養を行うと,2日ほどで大きなsphereから多くの突起を周囲に伸ばしたastrocyte,neuronやoligodendrocyteと考えられる細胞が遊走し始め,幹細胞の分化が確認された,現在,上記の免疫組織学的結果より,ミニブタ大脳皮質組織を選択的に摘出し,培養実験を行っている.
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