2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳血流不全に伴う運動誘発電位変化と組織学的変化に関する実験的検討
Project/Area Number |
15790776
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐久間 潤 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60305365)
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Keywords | 運動誘発電位 / ラット / 中大脳動脈 / 電気神経生理学 / 血流一時遮断 |
Research Abstract |
Wister系ラットを用いて、脳表を直接電気刺激することで対側前肢からの運動誘発電位の記録を試みた。 麻酔器を用いてハロセンにて麻酔導入後、大腿静脈にカニュレーションを行ない、プロポフォールの持続点滴静注にて麻酔を維持した。頭部をラット定位脳手術用固定器に固定後、右前頭開頭を行った。脳損傷を避けるため硬膜外に平坦化した銀電極を挿入し単極で電気刺激を行った。左前肢に針電極を2本刺入して誘発筋電図を記録した。刺激同側の頚部で総頸動脈、外頚動脈を結紮し、内頚動脈に4-0ナイロン糸を挿入して中大脳動脈起始部を閉塞した際の誘発筋電図の変化を検討した。 刺激対側の前肢から再現性のある多相性の電位が記録された。この電位は刺激強度1.5mAから記録された。筋弛緩薬および吸入麻酔薬の投与で電位は消失したことから刺激電流の滑走による筋電図ではなく脳の運動領野電気刺激による誘発筋電図と考えられた。頚部で内頚動脈からナイロン糸を挿入して刺激側の中大脳動脈起始部を閉塞すると、刺激対側前肢から記録された誘発筋電図は消失した。 以上の結果から、運動領野電気刺激による誘発筋電図は中大脳動脈起始部閉塞による虚血負荷を反映して変化することが示された。今後は虚血負荷条件(虚血時間・虚血部位)を変化させることによる誘発筋電図変化を検討する予定である。
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