2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成蛋白(BMP)合成ポリマーの局所投与による腱の骨化―腱・骨付着部の再生
Project/Area Number |
15790787
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村上 成道 信州大学, 医学部付属病院, 助手 (50334892)
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Keywords | 骨形成タンパク / サイトカイン / 生体分解性ポリマー / 靱帯付着部 / 再生医療 |
Research Abstract |
BMPを使用することで骨内に移植された腱・靭帯を骨化させ、腱・靭帯-骨付着部を再生することが本研究の目的である。日本白色家兎のアキレス腱を使用し、BMPによる腱骨化モデルを作成した。BMPを腱内に有効に効かせるにあたり、デリバリーシステムの改良が必要となった。腱の内部より骨化させるために、腱内に直接注射する試みを行った。我々の開発したデリバリーシステムであるポリ乳酸ポリエチレングリコールブロック共重合体(PLA-PEG)をさらに、効率がよく、注射可能な液体状にするために改良した。新しい生体分解性ポリマーであるポリ乳酸パラジオキサノンポリエチレングリコール共重合体(PLA-DX-PEG)を開発した。アキレス腱内にBMPをこの生体分解性ポリマーとともに注射することにより、腱内の骨化に成功した。現在、経時的変化を追い、評価を行っている。 この実験系により、注射により腱内の骨化が作成しうることが判明した。これを利用し、一端切離したアキレス腱を骨溝内に再縫着するモデルを作成している。日本白色家兎のアキレス腱を骨付着部で切離し、腱を骨化させるべくBMPとポリマーの注射を行い、骨溝内に再縫着を行うモデルを作成している。さらに、BMPを効率よく作用させるために、他の薬剤との併用も検討している。PTHやpentoxifyllineなどはBMP単独より骨形成能が向上することが判明した。また、アキレス腱周囲の環境もBMPの骨形成能を向上させる可能性があると考え、検討を行っている。
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[Publications] Murakami N, et al.: "Repair of a proximal femoral bone defect in dogs using a porous surfaced prosthesis in combination with recombinant BMP-2 and a synthetis polymer carrier."Biomaterials. 24. 2287-2293 (2003)
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[Publications] Saito N, Okada T, Horiuchi H, Ota H, Takahashi J, Murakami N, et al.: "Local bone formation by injection of recombinant human bone morphogenetic prtein-2 contained in polymer carriers."Bone. 32. 381-386 (2003)
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[Publications] Saito N, Horiuchi H, Murakami N, et al.: "New synthetic biodegradable polymers for bone morphogenetic protein delivery systems. In : Tissue engineering and novel delivery sysyems.(Yaszemski MJ, Trantolo DJ, Lewandorowski KU, Hasirci V, Altobelli DE, Wise DL(eds))"Marcel Dekker inc., New York.. 475-482 (2004)