2003 Fiscal Year Annual Research Report
四次元骨格・骨格筋モデルを用いた人工股関節設置後患者の動作解析システムの開発
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15790805
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大竹 義人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80349563)
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Keywords | コンピュータグラフィックス / バーチャルリアリティ / 四次元動作解析 / 人工股関節全置換術 / 人体モデル |
Research Abstract |
本研究では人工股関節設置後患者の股関節周辺の骨格・骨格筋の駆動状況を、1つの動作の中で四次元的に捉えて定量的に解析することで、術後の合併症を予測することのできる動作解析システムの開発を目的として研究を行っている。特に本システムでは、患者自身にとっても複雑な人工股関節の駆動を、直感的に理解しやすい可視化手法を開発し、医師による術後合併症予防のための肢位指導の際にも利用できるシステムとしている。また、患者ごとの骨格形状や筋肉の走行などの個体差を反映したシミュレーションを行うために患者のCTデータから得られる情報をもとに骨格・骨格筋モデルを構築することにより、各患者個別の解析を目指している。 われわれは昨年度までに患者の骨格モデルを用いた股関節駆動可視化システムを開発した。本年度はこのシステムを発展させ、筋張力の影響を含めた動作解析を行うために、筋肉モデルの構築を行った。筋肉の空間的な走行方向とその伸縮量を定量的に表現するためのモデルとして、各筋肉をひも状に簡易化した筋肉モデルを作製しその特性を決定した。次年度以降で筋形状を持ったモデルを構築するための準備段階として、簡易筋モデルと骨格モデルとを統合し、臨床で使用することのできる脱臼予測システムの開発を行った。対象とした筋肉は股関節の駆動に関係する7つの筋肉および筋肉群(中殿筋・大殿筋・腸腰筋・大腿直筋・大内転筋・大腿屈筋群・短外旋筋群)とした。各筋肉の長さから筋張力を算出し、その走行を考慮した筋張力ベクトルを求め、股関節周辺の骨格や人工股関節の衝突を含めたシミュレーションを行い、これにより術後患者の日常生活動作における脱臼を定量的に解析し,かつ予測する事が可能となることを示した。また、筋張力によって骨頭に発生する力を実際と比較して検範するために、圧力センサを装備した人工骨頭を試作し、術中に骨頭の圧力分布を計測する案験を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大竹義人, 鈴木直樹, 服部麻木, 三木秀宣, 山村在慶, 中村宣雄, 菅野伸彦, 米延策雄, 越智隆弘: "四次元骨格・骨格筋モデルを用いた人工股関節設置後患者の術後動作解析システム"日本コンピュータ外科学会誌. Vol.5, No.4(印刷中). (2004)
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[Publications] Hagio K, Sugano N, Nishii T, Miki H, Otake Y, Hattori A, Suzuki N, Yonenobu K, Yoshikawa H, Ochi T: "A novel system of four-dimensional motion analysis after total hip arthroplasty"Journal of Orthopaedic Research. (in press). (2004)
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[Publications] 大竹義人, 三木秀宣, 山村在慶, 中村宣雄, 鈴木直樹, 服部麻木, 菅野伸彦, 米延策雄, 越智隆弘: "四次元筋肉モデルを用いた人工股関節患者の股関節駆動シミュレーションシステム"第12回日本コンピュータ外科学会大会抄録集. 239-240 (2003)
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[Publications] Y.Otake, N.Suzuki, A.Hattori, S.Suzuki, M.Hayashibe: "4-Dimensional Whole Body Human Model for Dynamic Analysis of Human Locomotion"World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering 2003. 121 (2003)