2003 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経端側吻合における軸索の起源の解明(電気生理学的、組織学的検討)
Project/Area Number |
15790806
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中谷 晃之 関西医科大学, 医学部, 助手 (60330198)
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Keywords | 端側吻合 / 神経再生 / 側副発芽 / 神経再支配電位 |
Research Abstract |
末梢神経端側吻合における再生軸索の起源解明を電気生理学的、組織学的に試みた。 ウサギの脛骨神経を大腿骨骨幹部レベルで切断し、その後端々吻合した場合と、併走する総腓骨神経に端側吻合した2群を作製し検討してきた。 上記2群は、術後から針筋電図にて腓腹筋に神経再支配電位の出現するまで毎日検査し、再支配電位が出現するまでの日数を比較検討した。その結果、両群共に近似した時期に神経再支配電位が確認され、端側吻合後の再生軸索の起源は吻合部での側副発芽である事が電気生理学的に証明された。 端側吻合群では、再支配電位を確認の後、再度吻合部とその末梢を展開し、吻合部より末梢レベルの脛骨神経を一端切断してfluoroGoldを注入、再生軸索を逆行性染色して組織学的に検討した。その結果、吻合部の縦切片ではdonor nerveである腓骨神経内に染色される軸索が中枢まで認められ、また脊髄横切片ではL5-S2(脊髄円錐部)高位に染色される前角細胞が認められた。しかし、これまでの組織学的所見では再生軸索の起源を証明出来るには至っていない。 これまで施行してきた実験により再生軸索の起源は、電気生理学的所見から吻合部での側副発芽であることが推定された。しかし中枢側、つまり脊髄前角細胞、後根神経節のneuron poolからの新たなる軸索伸長の可能性の関与については現段階では不明である。そこで平成16年度には前年同様の脛骨神経端側吻合モデル80羽作製し、これらを4群に分ける。第1群は術後1ヶ月後に脛骨神経にfluoroGoldを注入して再生軸索を逆行性染色し、組織学的に検討する。第2群は術後2ヶ月後に、第3群は術後3ヶ月後に、第4群は術後4ヶ月後に同様の実験を試行し、再生軸索の起源が吻合部での側副発芽なのか、前角細胞由来なのか、また側副発芽と前角細胞由来との混在なのかを併せて比較検討する。
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