2003 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌正常粘膜検体を用いたfield defectの検討とその臨床的有用性
Project/Area Number |
15790852
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大見 千英高 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (90335737)
|
Keywords | 膀胱癌 / field defect |
Research Abstract |
膀胱癌の再発はmonoclocal cloneがintraluminal seedingされることにより発症するとする説と膀胱癌周囲の粘膜が原発巣と同じ遺伝子変異を来しているとするfield defectの二説があるが確定していない。われわれはFISH(fluorescence in situ hybridization)法により膀胱癌患者の膀胱癌の,7、9、10番染色体数的異常を検索し、7番染色体trisomyおよび9番染色体のmonosomyが膀胱癌に多く、non-randomな変化であること、これらの変化が腫瘍周囲の病理組織学的に正常な膀胱粘膜にも認められることを報告した。一方、尿細胞診検体を用いたFISH解析にて9番染色体mgnosomyがearly recurrenceを予測する因子であること、細胞診検体の遺伝子変異は膀胱癌本体の遺伝子変異と一致していることを証明した。そこで膀胱多箇所生検検体を用いて表在性膀胱癌のfield defectの有無を検討することは再発の作用機序の解明のみならず将来の再発予測にもつながる可能性があると思われる。現在、膀胱多箇所生検検体から、Lazer Capture Microdissectionを用いて膀胱粘膜上皮細胞および癌細胞のみを採取しDNAの抽出を行っている。また、同時に、新鮮症例からの検体採取も行っている。今後は、抽出されたDNAを用いて9番染色体を中心にmicrosatellite markerをもちいたmultiplex PCR法によるallelic imbalanceの検討やmethylation-specific PCR法によりp16,E-cadherinのCpG island(プロモーター領域)のhypermethylationの検討を行う予定である。
|