2005 Fiscal Year Annual Research Report
逆流性腎症におけるNOS、成長因子、エンドセリン発現変化の解析
Project/Area Number |
15790854
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 渡 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (80336221)
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Keywords | Clawn mini pig / 膀胱尿管逆流症 / NOS / 成長因子 / エンドセリン |
Research Abstract |
平成17年度の研究実施計画としては、平成16年度に変更して購入することになったClawn mini pigを用いて、片側低圧膀胱尿管逆流症モデルを作成し、その後の腎機能腎障害を観察すること、摘出腎を用いてNOS、成長因子、エンドセリンの発現変化を検討することであった。16年度の段階では、尿管口そのものを電気メスを用いてresectすることで膀胱尿管逆流症を得られることが判明し、また、その後unroofingだけでも十分な長さを切開することで膀胱尿管逆流が得られることも判明していた。今回は以前のアメリカHarvard Medical SchoolやWashington Universityからの報告と同様に、麻酔下に小児用内尿道切開刀を用いて片側の尿管口のunroofingのみで片側膀胱尿管逆流モデルの作成を試みた。作成時には平成16年度に確かめられていたような膀胱尿管逆流を確認できていた。その後、当初の予定では3ヶ月ごとの腎機能やシンチ等での評価を行う予定であったが、3ヵ月後に行った膀胱造影では作成したVURは消失していた。手術による膀胱尿管移行部の切開部位が炎症により狭窄を起こしたものと考えられた。以前のWashington Universityの報告で、開腹手術でVUR作成する方法より内視鏡でのVUR作成のほうがモデルとしての有用性が示されていたが、その後の研究でこのモデルを用いた研究は1件だけであり、モデル作成の困難さもその原因とも考えられた。水腎症による腎機能障害の研究はそのほとんどがVURモデルではなくratを用いて尿管を結紮した尿管閉塞モデルが用いられており、今後は長期開存のVURモデルの作成が必要であり、開腹術での作成も必要と考えられた。
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