2003 Fiscal Year Annual Research Report
山羊胎仔の間歇的臍帯圧迫による脳、behavioural stateへの影響
Project/Area Number |
15790898
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
川越 靖之 宮崎大学, 医学部, 助手 (70336311)
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Keywords | 低酸素症 / 新生児脳症 / 臍帯因子 / 胎児血圧 |
Research Abstract |
医療技術の進歩によって周産期死亡率は確実に低下してきている。しかし、脳性麻痺の頻度は分娩1000例に1〜2例と未だ解決をみておらず、その約80%は妊娠中に原因があると言われている。そこで、妊娠中に起きる胎児の低酸素血症の原因として臍帯圧迫に注目して研究を行なってきた。 実験1年目は急性実験系で臍帯圧迫モデルの作成に取り組んだ。さらに胎児の血圧と胎児脳障害の可能性にも着目し、日本コーリン製のalgorithmを胎児用に改変したHASTE機構を用い、心電図のR波と胎児の舌においたSpO2プレチスモグラムの定点から脈波伝搬時間を測定しリアルタイムに収縮期血圧を算出し、実測した血圧との相関を検討した。実験は山羊胎仔を用い急性実験を計3回行なった。まず妊娠山羊を開腹、山羊胎仔を臍部まで出る様に子宮外に露出し、心電図電極を前胸壁にSpO2プローベを舌に装着、併せて動静脈カテーテルを挿入した。実測血圧、心拍数をポリグラフに記録、また心電図のR波と胎児の舌においたSpO2プレチスモグラムからの信号はMOレコーダーに記録し後に脈波伝搬時間の解析を行なった。臍帯の近位部にはcord occluderを装着しそれに蒸留水約5mlを注入し臍帯の周りのバルーンを膨らませ臍帯を圧迫し脈拍、血圧の変動を観察した。Cord occluderで約2分間、臍帯を圧迫すると胎児脈拍は150-160bpmから200bpm以上の頻脈となり、血圧は上昇した。以前行なっていた羊胎仔を用いた慢性実験系では臍帯圧迫により胎児は60-80bpmの徐脈となり臨床上の胎児と同じ反応をみせた。しかし、今回の急性実験では頻脈となり全く違う反応であった。さらに臍帯圧迫に対し過度の頻脈となりSpO2の測定限界を超えたため実測値数値を残すことができず、結果的に脈波伝搬時間も得ることができなかった。このような急性実験の限界を踏まえて現在は慢性実験系での臍帯圧迫と脳障害のモデル作成に取り組んでいる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sameshima H, Kawagoe Y, Ikenoue T, Sakamoto H: "Continuous systolic blood pressure monitoring by the defference in electrocardiogram and pulse oximetry in the near term exteriorized goat fetuses."J Soc Gynecol Invest. 10. 200-204 (2003)