2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790911
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
矢内原 敦 昭和大学, 医学部, 助手 (20276588)
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Keywords | 子宮内膜 / Microarray / Microdissection |
Research Abstract |
子宮内膜は腺細胞と間質細胞に分けられるが、このそれぞれの細胞間での相互情報伝達が子宮内膜の増殖や卵の着床及び浸潤に大きな役割を担っている事が示されている。しかし実際には腺細胞と間質細胞の役割を区別し正確に知ることは困難であった。今回の実験において、増殖期子宮内膜より得られた標本を用い、Laser Microdissection(LMD)法で腺細胞および間質細胞を分離回収し、Microarrayを用いそれぞれの遺伝子発現を比較検討した。十分な説明とインフォームドコンセントを得た後、増殖期子宮内膜を採取、洗浄後直ちにイソペンタン中で凍結包埋し、-80℃にて保存した。組織は薄切後LMDにて腺細胞と間質細胞を別々に回収した。RNAを抽出し逆転写後PCRにて増幅、放射性元素とハイブリダイゼーションしMicroarrayに供した。その結果、腺細胞においてはHeat shock proteinやProteinase inhibitorの強発現を認め、間質細胞では細胞外マトリクスの構成成分であるDecorinやDiscoidin receptorなど増殖に関与する蛋白の強発現を認めた。さらに増殖期子宮内膜を分離し、間質細胞を培養した。この培養細胞にエストロゲンを添加しDecorin mRNAの発現を定量的PCRにて解析したところ、エストロゲン添加によりDecorin mRNAの発現の増加を認めた。また、MPAを添加したものではDecorin mRNAの発現に影響を認めなかった。このことよりDecorinはエストロゲン依存性にその発現がコントロールされている可能性が示唆された。さらに月経周期におけるステロイドの変化を加味するとDecorinはステロイド存在下に子宮内膜の増殖に関与している可能性が示唆された。
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