2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790947
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
松塚 崇 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80336461)
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Keywords | 頭頸部癌 / 舌癌 / センチネルリンパ節 / 99mTc-rhenium sulfide colloid / 頸部郭清術 |
Research Abstract |
頭頸部悪性腫瘍は頸部リンパ節に転移し易く、その根治術は腫瘍切除と頸部郭清が一緒に行われることが多い。一方でリンパ節転移がなく郭清の必要がない場合もある。癌治療学においてセンチネルリンパ節(SN)の同定が注目を浴びている。腫瘍の周囲に薬剤を注入すると腫瘍からドレナージされる最初のリンパ節を同定することで、ここに転移がなければ郭清を省略できると考えられる。本研究はSNがリンパ節転移の有無を反映するかどうかについて検討し、不要な頸部郭清を省略できる可能性を明らかにすることが目的とする。 本研究は既に自学の倫理委員会の承認を得ており、これまでに77例(平成16年度は14例)研究を行っている。方法は以下のとおりである。 (1)薬剤の注入:99mTc-レニウムコロイドあるいはフチン酸を作成し腫瘍周囲の粘膜下に注入。 (2)ガンマカメラによる計測:注入より2時間後に撮影する。 (3)術前の計測:ハンディタイプのγ線検出器を用い経皮的に計測する。 (4)術中の計測:(3)と同様な方法で術野を展開しSNを同定する。 (5)摘出標本の計測・病理結果との比較 T1からT3でN0の舌扁平上皮癌21症例に対しSN生検を行い、全例でリンパ節を同定することができた。トレーサにレニウムコロイドを使用した場合平均3.7個、フチン酸を使用した場合平均2.3個であった。トレーサの粒子が小さいと検出リンパ節は多くなり、大きいと少なくなるが、口腔・中咽頭における至適トレーサの選択は何かが問題点であり診断精度について症例を増やして検討が必要である。3例のSNに転移を認め頸部郭清を行ったが、SN以外のリンパ節には転移を認めなかった。偽陰性例は21例中2例あり、転移はトレーサ注入部に近いリンパ節で、集積が同定できなかった可能性がある。鉛板を使用しトレーサ注入部と探索部を遮蔽するようにしたところ、診断精度を高めることができた(正診率:86→100%)
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Research Products
(5 results)