2003 Fiscal Year Annual Research Report
腺様嚢胞癌の神経周囲浸潤における膜貫通型MMP(MT-MMPs)の役割
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15790952
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
島田 剛敏 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (30275226)
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Keywords | 腺様嚢胞癌 / 膜貫通型MMP / 神経周囲浸潤 / MT3-MMP |
Research Abstract |
唾液腺癌では、粘表皮癌において組織学的悪性度や頸部リンパ節転移にMTI-MMPによるMMP-2の活性化が相関するが、腺様嚢胞癌と腺癌ではMTI-MMPの産生量は粘表皮癌と同レベルだがTIMP-2の高発現によってMMP-2の活性化が抑制きれた特殊な癌であることを明らかにしてきた(平成13年度、14年度 科研費Kayano, Shimada et al. J Pathol 202:403-411,2004)。腺様嚢胞癌は遠隔転移や神経周囲浸潤、遅い増殖などの特徴的な臨床像を持つ。特に腺様嚢胞癌の神経周囲浸潤は摘出手術時に顔面神経の温存の可否を大きく左右する因子である。特に膜貫通MMP(MT-MMPs)は癌細胞膜上あるいは細胞膜周囲の細胞外マトリックスの分解を通して腺様嚢胞癌細胞の神経周囲浸潤の関与していることが予想される。本年度は組織破砕によるホモジネートからtotal RNAを抽出し、RT-PCR法によりMT1,2,3-MMPについて検討したところ、MT3-MMPが腺様嚢胞癌において粘表皮癌より有意に高率に検出されたが、MT1,2-MMPの検出率は腺様嚢胞癌と粘表皮癌で差がなかった。また特異的抗体を用いた免疫組織化学法では、神経周囲にMT3-MMPの局在を認めるものの、MT1,2-MMPとの明確な差は現在のところ観察されていない。今後は脳での発現が報告されているMT5-MMPに付いても検討していく必要性が有ると思われる。
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Research Products
(1 results)