2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790955
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
添田 一弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50256400)
|
Keywords | 姿勢制御 / 触覚 / 平衡 / 直立姿勢 / 静的平衡機能 / 重心動揺計検査 / 指先感覚 / 指先接触圧 |
Research Abstract |
昨年度に構築した実験装置システムを使用し、健常被検者に対して指先接触による姿勢制御の基礎的データの蓄積を目的とした以下の実験を行った。測定条件:視覚条件;すべて閉眼。指先接触条件;(1)指先接触有りか無し、(2)親指か小指で接触、(3)右手か左手で接触、足裏の条件;(4)足裏にソールを置くか否か、としてこれらの組み合わせから生じる16の条件を測定条件とした。測定時間は25秒とし、被検者一人あたり16測定条件をランダムオーダーでそれぞれ3回行った。昨年度実験と同様に指先接触圧と重心動揺計測値を測定した。現在7名の健康被検者からデータを採取しえた。現時点での実験結果の傾向としては、(1)昨年と同様に足圧中心の総軌跡長、軌跡の外周面積の値は指先接触の条件の方が、非接触条件よりも小さい値となり、指先接触有りにより直立姿勢の安定が示唆された。(2)指先接触条件の相違((2)親指か小指で接触、(3)右手か左手で接触、では足圧中心の総軌跡長、軌跡の外周面積の値に差が生じる傾向はみられなかった。(3)指先非接触条件では足裏にソールを置くとソール無しの時よりも直立姿勢は足圧中心の総軌跡長、軌跡の外周面積の値は大きくなるすなわち直立姿勢が動揺する傾向がみられた。しかし、指先接触条件ではソール有り無しの条件に相違により差が出る傾向はみられなかった。以上の結果より、指先の条件(指の種類、利き手の指かどうか)は姿勢安定化の要因ではなく、指先の皮膚感覚などが姿勢安定化に関与していることが示唆された。また、直立姿勢を乱す外乱の種類、程度によらず、指先接触による姿勢安定化がみられる可能性が示唆された。今後は実際の臨床やリハビリテーションの状況を想定した条件を検討していく予定である。
|