2004 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞系の網膜神経節細胞への分化誘導、およびその過程の分子生物学的解析
Project/Area Number |
15790991
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金本 尚志 広島大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助手 (20359889)
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Keywords | 鶏胚 / プロテオミクス / 網膜 / 眼内への遺伝子注入 |
Research Abstract |
分化過程にある鶏胚の網膜組織から得られたサンプルを用いて、プロテオミクスおよびマススペストロメトリーを行い、differential display法にて生着細胞の神経分化に重要な役割を果たしている推察されるタンパク(標的タンパク)を同定することに成功した。標的タンパクとしては、約15個が挙げられたが、転写因子、細胞骨格成分、アポトーシス誘導因子、発生分化誘導因子と多種多様の機能を有するタンパクが見出されると同時に、機能未知の新規タンパクも見出された。 鶏胚網膜組織の免疫染色においては、標的タンパク群の多くは、数種類の網膜細胞において選択的に発現していることが分かった。また、ウェスタンブロット法ににより、プロテオミクス解析の再現性が一部の標的タンパクにおいて、確認された。 次に、網膜分化に対する標的タンパク群の機能解析のために、まずは、ラット網膜神経前駆細胞を準備し、市販されている遺伝子導入試薬を用いた標的タンパク強制過剰発現を行った。一部の標的タンパクは細胞死を抑制し、また、神経突起伸長を促進する標的タンパクも認めた。 それらの標的タンパク群の生体レベルでの機能解析を行うことを目的として、鶏胚の眼内への遺伝子注入、すなわちマイクロシリンジを用いたDNAの硝子体内への注入を行った。遺伝子導入試薬としてin vivo jetPEI (Polyplus社製)を使用し、注入したGFP遺伝子の発現を、網膜組織レベルで確認した。つまり、従来より行われているエレクトロポレーション法やウィルスベクター法より、簡便で、臨床応用を期待できるシステム構築の糸口を見つけ出すことに成功した。
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Research Products
(2 results)