2003 Fiscal Year Annual Research Report
眼部MALT型リンパ腫の原因究明ならびに免疫学的治療の開発
Project/Area Number |
15790996
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 洋 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (00304808)
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Keywords | 眼部リンパ腫 |
Research Abstract |
1,眼部MALTリンパ腫の増殖B細胞の標的抗原を検索するため、4例の腫瘍サンプルから細胞の分離を行った。細切組織のフローサイトメトリーではいずれも腫瘍クローンはCD19+20+HLA-DR+、CD5-CD10-で、腫瘤内リンパ球の62-91%がクローナルな集団であった。CD22 23はサンプルにより陽性例と陰性例があった。解析後の細胞を磁気細胞分離法でCD20陽性細胞を分離(5〜40万個)し、RPMI培地で培養したが、2%血清添加、また1%血清添加下でも電気泳動上クローナルなバンドを形成するグロブリンは検出できなかった。MALT-B細胞が免疫グロブリン産生能がきわめて低いか、またCD単抗原による分離細胞では、腫瘍細胞よりIg産生能の高い正常細胞が混入する可能性が判明した。 2,CD20および短鎖(κ)の二重磁気細胞分離、無血清培地+LPS培養することにより、IgGクラスのクローナルなグロブリンを検出できた(1例)。 3,SCIDマウス背部皮下にMALT-B細胞を接種し、1W後、2W後に静脈血のフローサイトメトリー解析と接種部の組織を採取すると、末梢血には検出可能な数のヒトリンパ球は流入しておらず、皮下にはマクロでは腫瘤形成はないものの、免疫組織化学でヒトCD20抗体で染色されるリンパ球集団が存在していた。MALT-B細胞はマウス生体内で正常のリンパ流および循環には参画せず、固形腫瘍としての性質を維持しうることが判明した。治療モデルのためにはさらに、大きさの計測可能なレベルの腫瘤形成が必要なため、接種からの期間の延長、または適当な抗原に暴露するために粘膜下接種、また初期投与細胞数の増加、などのmodificationを次年度に行う予定である。
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