2003 Fiscal Year Annual Research Report
変性網膜における神経ステロイドの機能解明への組織化学的アプローチ
Project/Area Number |
15791004
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 隆雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (30315931)
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Keywords | 網膜 / 神経ステロイド / 免疫組織化学 / in situ hybridization / 3α-HSD / 5α-reductase |
Research Abstract |
変性網膜における神経ステロイドの機能解明への組織化学的アプローチとして、第一に、成熟ラットの正常網膜での神経ステロイドの産生に関する酵素、3α-hydroxysteroid dehydrogenase (3α-HSD)の局在について免疫組観化学、in situ hybridizationなどの手法を用いて形態学的に検索した。 3α-HSD特異抗体を用いた免疫組織化学的検索の結果、網膜の内境界膜から外境界膜にかけて突起状の陽性反応が認められ、vimentin、glial fibrillary acidic protein (GFAP)抗体を用いた蛍光二重染色により、ミュラー細胞であることを同定した。 mRNAレベルでの検索を、ジゴキシゲニン標識したRNAプローブを用いてin situ hybridizationを行い、免疫組織化学的検索の結果と同様ミュラー細胞に3α-HSDm RNAのシグナルを検出した。 さらに神経ステロイド合成の経路で3α-HSDに関連する酵素である5α-reductaseの正常網膜における存在をRT-PCRにより調べた結果、3α-HSD、5α-reductase両酵素のmRNAの存在が確認された。 これらの結果から、網膜において3α-HSD、5α-reductaseによる神経ステロイドが合成され、ミュラー細胞がその働きに関与していることが示唆された。今後、傷害を受けた網膜や変性網膜において、ステロイド代謝酵素と産生される神経ステロイドがどのように関与しているのかを組織化学的手法を用いて明らかにしていく予定である。
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