2003 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性の機序の解明―脈絡膜血管新生における血管新生抑制因子の役割
Project/Area Number |
15791020
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
尾崎 弘明 福岡大学, 病院, 講師 (50309902)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 血管新生 / トロンボスポンジン |
Research Abstract |
中途失明原因として近年増加している加齢黄斑変性症の原因は黄斑部の老化に伴う脈絡膜新生血管の形成であるが、その機序については未だ不明な点が多い。血管新生の形成は眼内での血管新生促進因子と抑制因子のバランスが崩れた時に生じることが知られているが、最近は血管新生抑制因子として血小板より発見されたトロンボスポンジンが注目されている。そこで眼内血管新生の機序を解明するため以下の実験を行った。 正常マウスと眼内血管新生モデルにおける血管新生抑制因子の発現 成人C57BL6Jマウスの眼球を摘出し、新鮮凍結切片を作成し、抗トロンボスポンジン抗体を用いた免疫組織染色を行い、トロンボスポンジンの発現を検討した。その結果トロンボスポンジンは成人マウスの網膜血管内皮細胞に発現が確認された。また、C57BL6Jマウスを用い既報に従って眼球に散瞳剤を点眼後、網膜に光凝固を数発施行して眼内血管新生モデル(脈絡膜血管新生モデル)を作成した。マウスの光凝固を施行してから2週間で脈絡膜血管新生が形成された。その血管新生の進展過程における血管新生抑制因子の発現を同様に新鮮凍結切片を作成し、抗トロンボスポンジン抗体を用いた免疫組織染色法を行い検討した。その結果、トロンボスポンジンは実験モデルの脈絡膜血管新生の血管内皮細胞に発現が認められた。しかしながら、発現レベルにおいては明らかな変化は認められず、今後さらなる検討が必要であると考えられた。
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