2004 Fiscal Year Annual Research Report
新生児monocyteにおけるIL-1ra発現の特異性に関する検討
Project/Area Number |
15791021
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内田 恵一 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (30293781)
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Keywords | 新生児 / サイトカイン / IL-1ra / 好中球 |
Research Abstract |
サイトカイン産生能の検討のため、正常分娩児15例の臍帯血と健常成人15例の末梢血よりStepSepによるnegative selectionで単球と好中球を分離、LPSもしくはIL-1βを添加し培養後(3hr、6hr、24hr)、上清のIL-1ra濃度を測定した。また、好中球については細胞よりmRNAを抽出しRT-PCRを行ってIL-1raの遺伝子発現をPhosphorImagerを用い半定量で比較検討した。その結果、培養においては、単球ではLPSとIL-1βのいずれの刺激に対しても3hr後、6hr後、24hr後の上清中IL-1ra濃度に臍帯血と成人で差は認められなかったが、好中球ではLPS添加で3hr後295.3±124.6vs.190.2±96.7(p=0.03)、6hr後462.8±184.8vs.307.7±176.7(p=0.04)、24hr後725.7±313.6vs.489.4±338.0(p=0.04)、IL-1β添加で3hr後316.7±168.3vs.198.0±142.5(p=0.03)、6hr後455.1±173.1vs.304.5±143.1(p=0.03)、24hr後675.2±272.4vs.437.1±287.4(p=0.01)と臍帯血のIL-1ra濃度が有意に高値だった。また、好中球のRT-PCRにおいても臍帯血においてIL-1raの発現が有意に成人よりも高値であった(p=0.04)。以上の結果から今回の腫大であった単球においてはIL-1ra産生能に差は認められなかったが、好中球からのIL-1ra産生が新生児において亢進しており、これまでの実験で得られた母体からのIL-1raの移行と合わせ新生児ではか弱い体を守るために生直後からIL-1raが高値に保たれている可能性が示唆された。
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