2003 Fiscal Year Annual Research Report
生理的状況下で歯髄に破骨細胞が出現しない原因の実験的解明
Project/Area Number |
15791037
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
習田 洋子 (山本 洋子) 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (10292971)
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Keywords | マウス / 歯髄 / 単球 / マクロファージ系細胞 / 破骨細胞分化阻止 |
Research Abstract |
本年度は、正常マウス歯髄において、破骨細胞に分化可能な前駆細胞が存在するか否かを検討することに重点を置き、以下の二点について実験を行った。 1、免疫組織化学的手法を用いた破骨細胞前駆細胞の検索 これまで破骨細胞前駆細胞の研究において、ヒト末梢血単核細胞、特にCD14を発現している単球系細胞より破骨細胞のへの分化が可能であることが報告されており、また破骨細胞への分化にはM-CSFの添加が必須であることから、そのレセプターであるc-fmsが前駆細胞に発現していると考えられる。よってこの二つの分子に対する抗体を用いてマウス歯髄の免疫組織化学染色を施した、様々なプレパレーション法を試みたが、今のところ歯髄においてこれらに対する陽性細胞は見られていない。しかしながらマウス単球/マクロファージ系細胞を広く認識する抗体(MOMA-2)による免疫組織化学染色の結果、マウス切歯歯髄において、陽性細胞が多数存在することが明らかになった。これらのMOMA-2陽性細胞がCD14およびc-fmsを発現しているか否かは、更なるプレパレーション法の改良や、生化学的手法を用いた検索が必要である。 2、マウス歯髄より単球/マクロファージ系細胞の分離 正常のマウス臼歯歯髄において、Mac-1、Mac-2、MOMA-2などのマクロファージ系細胞を認識する抗体で陽性になる細胞が見られると言う報告があり、また上記の実験により切歯歯髄に置いてMOMA-2陽性細胞が検出されたことから、歯髄には単球/マクロファージ系細胞の存在が示唆される。このことからマウス切歯歯髄より、マクロフージの付着能を利用して、それらの細胞の分離を試みた。ならし培地を用いたところ、歯髄より付着性を示す細胞が分離された。今後その細胞の同定を計画している。
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