2004 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞の分化・活性調節において、幼弱・成熟骨中の骨細胞が果たす役割に関する研究
Project/Area Number |
15791051
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
鈴木 礼子 朝日大学, 歯学部, 助手 (90333723)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨細胞 / 緻密骨リモデリング / オステオポンチン / イムノゴールド増感法 / 連続準超薄切片 |
Research Abstract |
破骨細胞の分化・活性調節において、幼弱・成熟骨中の骨細胞が果たす役割を解明するために、成熟緻密骨のリモデリング中に破骨細胞によって骨小腔から開放された後、破骨細胞に取り込まれる骨細胞と、骨芽細胞によってそのまま再び接合線(CL)上の骨基質中に埋入される骨細胞が存在することに着目し、これらの骨細胞におけるオステオポンチン(OPN)の局在を検索して、緻密骨リモデリング中に遭遇した骨細胞と破骨細胞のリアクションと、OPNとの関係を調べた。試料として、固定・脱灰後LRホワイトレジンに包埋した若齢ラット下顎臼歯固有歯槽骨を用い、水平断連続準超薄切片を作製した。奇数番号切片ではメチレンブルー・アズールII染色による組織学的検索を、偶数番号切片ではイムノゴールド増感法を用いたOPN局在の免疫組織化学的検索を行った。結果として、緻密骨リモデリング中に破骨細胞によって骨小腔から開放された後、破骨細胞に取り込まれる運命の骨細胞と、破骨細胞に取り込まれずにそのままCL上に再埋入される運命の骨細胞とでは、骨小腔におけるOPNの局在に差があることが明らかになった。これらの結果から、成熟緻密骨のリモデリングにおいて、骨細胞がOPNの分泌を介して破骨細胞による骨吸収の量と方向を調節している可能性が示唆された。OPNは局所的骨代謝回転調節因子の候補の一つとして注目されており、骨代謝回転中に遭遇した破骨細胞と骨細胞のリアクションと、OPNの局在との間に関連があることが示唆されたことは、破骨細胞の分化・活性調節において幼弱・成熟骨中の骨細胞が果たす役割を更に解明していく上での突破口になり得ると考えられる。
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