2003 Fiscal Year Annual Research Report
ADPリボシル化因子(Arf)による耳下腺開口分泌の調節機構
Project/Area Number |
15791070
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
道家 洋子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90307869)
|
Keywords | ADPリボシル化因子(Arf) / 開口放出 / TRPC1 |
Research Abstract |
低分子量GTP結合タンパク質の一つである、ADPリボシル化因子(Arf)は、小胞体やゴルジ装置に局在し、小胞の出芽に関与していることが知られている。研究代表者は、ラット耳下腺腺房細胞において、Arfが細胞質に局在し、GTP依存性に細胞質から分泌顆粒膜に移行することを明らかにしている。一方、耳下腺腺房細胞において、βアドレナリン受容体刺激は細胞内cAMP濃度を上昇し、アミラーゼの開口放出を引き起こす。この開口放出におけるArfの関与を検討した。ArfのN末端ペプチドがcAMP依存性の開口放出を抑制することから、Arfが開口放出の制御に関与することを示唆した。また、Arfの標的タンパク質の一つであると考えられているホスホリパーゼD(PLD)のcAMP依存性開口放出への関与を検討した。GTPγSによりPLDが活性化し、PLD阻害剤ネオマイシンによってcAMP依存性のアミラーゼ開口放出が抑制され、PLDがアミラーゼの開口放出に関与していることが示唆された。またカルシウムチャネルの一つと考えられるTRPC1とArfとの相互作用を推定した。その一段階として分子生物学的用法を用いてTRPC1の構造解析を行った。TRPC1は8つの疎水性領域を持っているが、TRP3においては1番目の疎水性領域は膜に挿入されないことが知られている。TRPC1の疎水性領域のそれぞれ切断したものをGFPと糖鎖タグの間に挿入したプラスミドを作成しHEK293T細胞に導入した。糖鎖タグの小胞体に対する位置関係を分子量の変化より検討し、その結果、TRPC1はTRP3と異なり、1番目の疎水性領域は膜貫通性であることが明らかとなった。現在、Arfとの相互作用結合において検討を進めている。
|