2004 Fiscal Year Annual Research Report
咬合挙上による咬筋筋線維タイプの変化およびその調節機構の解析
Project/Area Number |
15791071
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大貫 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50288114)
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Keywords | 咬合挙上 / 咬筋 / ミオシン / クレンブテロール / カルシニューリン / RT-PCR |
Research Abstract |
スプリント療法の筋肉レベルでの生理学的治癒機序を解明するため、咬合挙上(顎間距離の増大)によるラット咬筋筋線維タイプの変化およびその調節機構の解析を行った。 1.咬合挙上による咬筋筋線維タイプ変化の解析 咬合挙上(下顎切歯に咬合挙上板を装着)がラット咬筋におけるミオシン重鎖アイソフォーム(MHCI、IIa、IId/x、IIb)ならびに細胞内Ca^<2+>ハンドリング関連タンパク質(筋小胞体Ca^<2+>-ATPase、phospholamban、sarcolipin、parvalbumin:近年、筋線維タイプや筋肥大がCa^<2+>をセカンドメッセンジャーとする細胞内シグナル伝達経路を介して調節されることが示唆されているため)の遺伝子発現に与える影響をmRNAレベル(リアルタイムRT-PCR法による解析)及びタンパク質レベルで定量的に解析した。その結果、咬合挙上によりラット咬筋の筋線維タイプが、細胞内Ca^<2+>ハンドリング関連タンパク質の発現に影響を与えることなく、収縮速度の遅い、難疲労性のタイプへ変化(エネルギー効率の良いタイプへ変化)すること(遅筋化)が観察された。 2.咬筋筋線維タイプ調節機構の解析 Ca^<2+>依存性セリン/スレオニンホスファターゼであるカルシニューリン(近年、筋線維タイプの遅筋化や筋肥大を惹起することが示唆されている細胞内シグナル伝達因子)の阻害薬Cyclospolin A(CsA)が咬合挙上によるラット咬筋筋線維タイプの遅筋化に対して拮抗作用を有するかを明らかにするため、咬合挙上とCsA投与を施したラット咬筋におけるミオシン重鎖アイソフォームのmRNA量をリアルタイムRT-PCR法により定量的に解析した。その結果、CsAが咬合挙上による咬筋の遅筋化に対して抑制的に作用することが観察された。
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