2003 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス促進Bcl-2分子Baxのミトコンドリア移行制御機構の解明
Project/Area Number |
15791079
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
飛梅 圭 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (40350037)
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Keywords | アポトーシス / Bcl-2ファミリー |
Research Abstract |
哺乳動物細胞におけるアポトーシス決定機構と考えられるアポトーシス促進Bcl-2ファミリー分子Baxのミトコンドリア移行制御の分子機構は未だ明確になうていない。申請者は、Baxをミトコンドリアから恒常的に隔離する分子機構の存在・および各種アポトーシス誘導時における、これを解除するそれぞれに独自の分子機構の存在を想定し、本研究でこの2点の分子機構の同定を試み、哺乳動物細胞におけるアポトーシス決定機構を解明することを目指している。 本年度、申請者はBH3-onlyタンパク分子によりBaxのミトコンドリア移行を伴うアポトーシスを誘発する実験系を用いて、Baxに結合するタンパクの質的、量的変化の経時的網羅を試みた。この結果、予想外にBH3-onlyタンパク分子は、抗アポトーシスBcl-2ファミリー分子Mcl-1に対しても細胞質からミトコンドリアへの移行を強く誘導するいう知見を得た。さらに紫外線照射によるアポトーシス誘導時にMcl-1はミトコンドリア移行と同時に強くデグラデーションを誘発されることを見いだし、デグラデーションが優位となった細胞においてBaxのミトコンドリア移行-活性化が起きることをが示唆された。 以上の知見より申請者の想定するBaxのミトコンドリア移行制御機構が実際に存在し、その相反する機能にもかかわらず、非常に構造が似通っている抗アポトーシスBcl-2ファミリー分子に対してもこのミトコンドリア移行制御機構が働くことが強く示唆された。
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