2003 Fiscal Year Annual Research Report
根尖性歯周炎に対する免疫分子をベースとした骨吸収抑制剤開発の試み
Project/Area Number |
15791101
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大原 直子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80301365)
|
Keywords | CD137 / 根尖性歯周炎 / 骨吸収 |
Research Abstract |
本研究で利用するCD137は、生菌の感染によって骨芽細胞が産生するものとして見出されたものであるが、菌体成分によってもその産生が誘導されるか検討した。その結果、生菌だけでなく、死菌あるいは内毒素のいずれに対してもCD137の産生が行われることが明らかとなった。このことはCD137の誘導がTLR等の受容体を介する自然免疫機構による可能性を示している。現在この解析を進めている。 また興味深いことに、骨芽細胞の応答性は菌種に対して異なることが判明した。そこで、根尖性歯周炎の起因細菌に対する応答性について追加検討中である。菌種による応答性の相違は、根尖性歯周炎の成立や進展の病態に関連している可能性もある。 CD137のリコンビナントを得るため、まずマウス骨芽細胞よりCD137のcDNAをクローニングした。そのリガンドであるCD137LのcDNAはすでにクローニングされたものを入手した。次にそれぞれの遺伝子にヒスチジンタグを付与した形で大腸菌発現ベクターに組み込み、大腸菌で発現させたところ、不溶性画分に含まれたため、ニッケルカラムを用いて変性条件下で精製を行った。その後、可溶性に戻したところ、活性のあるタンパク質を得ることができた。このタンパク質を用いて抗体作成に着手している。この後、細胞培養を用いた破骨細胞形成系にて、CD137とCD137リガンドの結合により破骨細胞形成が阻害されることを再確認する予定である。
|