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2003 Fiscal Year Annual Research Report

転写因子Ets-1による歯髄の創傷治癒のメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 15791104
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

達山 祥子  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70347095)

Keywordsヒト歯髄細胞 / 転写因子 / Ets-1 / VEGF / MAP kinase / シグナル伝達
Research Abstract

Ets-1は、血管新生を促す因子である。新しい血管が出来る空間を作るためのプロテアーゼの発現を促進したり、血管内皮細胞の増殖、浸潤といったことを調節する。歯髄が細菌感染等でダメージを受け、炎症におちいった場合、そこから創傷治癒に至るには新たな血管新生が必要である。歯髄細胞内における転写因子Ets-1のシグナル伝脱を詳細に解析することにより、歯髄炎の炎症の回復に有効な手段を得ることが期待ができる。
血管内皮増殖因子(VEGF)は、血管新生を促す重要な因子として知られており、我々はこれまでにVEGFが歯髄炎において何らかの影響を及ぼす可能性があること、Ets-1がヒト歯髄細胞においてもVEGFのシグナルの下流に存在することを明らかにしてきた。本研究では、さらに、Ets-1に関わるシグナルを詳しく解析するために、MAP kinaseカスケードのリン酸化をヒト歯髄細胞において調べた。その結果は以下の通りである。1.ヒト歯髄細胞において、VEGFの刺激によりMAP kinaseの一つであるERKのリン酸化が誘導された。2.他のMAP kihaseであるp-38や、JNKのリン酸化は誘導されなかった。3.VEGFが引き起こすEts-1の活性化は、ERK inhibitorであるU0126によって抑制された。以上の結果から、ヒト歯髄細胞において、VEGFが誘導する転写因子Ets-1の活性化は、MAP kinaseカスケードのうち細胞の増殖や分化に関わるERKを介して引き起こされることがわかった。つまり、ヒト歯髄、特に歯髄炎においてEts-1が、歯髄細胞の増殖・分化に関わっている可能性が考えられる。次に我々は、Ets-1の転写活性をLuc assayにて検討を行う。Ets-1の発現ベクターを作成し、歯髄細胞にEts-1を過剰発現させて細胞の反応を検討する。そして、Ets-1の歯髄における役割をさらに詳細に解析していく予定である。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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