2004 Fiscal Year Annual Research Report
エナメルマトリックスタンパクを用いた再植歯における機械受容終末の再生
Project/Area Number |
15791109
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菊池 正浩 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (90337163)
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Keywords | エナメルマトリックスタンパク / Enamel Matrix Derivative / 歯牙再植 / 歯根膜 / 歯周組織 / Protein Gene Product 9.5 / Na^+, K^ATPase β1 sabunit |
Research Abstract |
本研究は、再植歯にエナメルマトリックスタンパク[Enamel Matrix Derivative (Emdogain【○!R】 Gel ;以下EMD)]を用いることで、歯周組織の治癒機転がどのように働き、形態学的に再生したルフィニ終末が機械受容終末として機能し得るか検討することを目的とする。 方法は、ラット上顎右側前歯を全身麻酔下で抜歯し、生理食塩水中で根基部歯胚相当部を切断、根基部方向より抜髄、低融点Warmed Gutta Purchaにて逆根管充填した。実験群には、歯根表面にEMD (30mg/ml)を0.05ml添加後に再植し、対照群ではEMD無添加の状態で再植した。観察期間終了後に組織切片を作製し、神経線維の特異的検出に有効なProtein Gene Product 9.5(以下抗PGP 9.5)及びルフィニ終末などの知覚神経終末に特異的なNa^+, K^+ ATPase β1 subunit (以下抗Na^+, K^+ ATPase)により免疫染色を施し、歯周組織の動態を免疫組織化学的に検討した。 結果は、術後1週間日で実験群・対照群ともにルフィニ終末は減少した。両群ともルフィニ終末は抗PGP9-5には陽性反応を示すが、抗Na^+, K^+ ATPaseでは陽性反応を示さず、知覚神経線維の活性の低下を示した。術後2週間日で実験群では抗PGP 9.5陽性の樹枝状ならびに小胞状の構造を示ルフィニ終末に反応を示した。抗Na^+, K^+ ATPaseでもわずかに陽性反応を示し、知覚神経線維の活性の回復を認めた。】方、対照群では、抗PGP 9.5陽性の小胞状の構造を示すルフィニ終末にわずかに反応を示すが、抗Na^+, K^+ ATPaseでは陽性反応を示さなかった。 以上より,ラット再植歯にEMDを応用することで、ルフィニ終末の形態的機能的再生が早期に起こると考えられる。 これらから、外傷で脱臼した歯牙の再植や意図的再植など、歯根膜を含む歯周組織の傷害された症例においてEMD使用の有効性が示唆される。
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