2003 Fiscal Year Annual Research Report
静磁場による骨形成促進効果のデンタルインプラントへの応用
Project/Area Number |
15791114
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 悟 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10344524)
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Keywords | デンタルインプラント / 静磁場 / 骨形成促進 / チタンインプラント / ラット大腿骨 |
Research Abstract |
本研究は、静磁場による骨形成促進効果をデンタルインプラントに応用することを目的としている。 今年度は、静磁場の骨形成に及ぼす影響を検討する為に以下の実験を行った。直径1.58mm、長さ6mmの円筒状チタンの内径に残留磁束密度0.9Tのサマリウム-コバルト磁石を挿入し、両端を接着性レジンで封鎖することにより、磁性を付与したチタン性インプラント体を作製した。実験群は磁性を付与したインプラント体を、生後20週齢の雄性Wistar系ラットの大腿骨に垂直に貫通するように埋入した。対照群は、実験群と同寸法で磁石を挿入していない円筒状チタンを埋入した。両群とも2週間後に屠殺し、大腿骨を採取した後、通法に従い脱灰標本および非脱灰標本を作製した。それぞれの標本について病理組織学的検索および組織計量学的検索を行った。 実験群、対照群ともにインプラント体の周囲には新生骨が形成され、インプラント体と新生骨は直接接触しており、オッセオインテグレーションが観察された。実験群においてインプラント体周囲に形成された新生骨の量は対照群に比べやや多い傾向を示し、新生骨とインプラント体との接触率も対照群に比べ高い傾向を示した。また骨髄組織に接する新生骨表層では類円形を呈する骨芽細胞が観察され、その数は実験群において多い傾向を示した。これらの結果から、静磁場による骨形成促進効果が認められた。 来年度は、家兎、犬など大型の動物を用い、磁性を付与したインプラント体を顎骨に埋入して、より臨床に近い状態での静磁場の効果を検討する予定である。
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