2003 Fiscal Year Annual Research Report
携帯情報端末を用いた顎関節症患者のストレスレベルと症状発現の時系列的関係の解明
Project/Area Number |
15791117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 智昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50312591)
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Keywords | 顎関節症 / ストレス / 状態不安 / 携帯情報端末 |
Research Abstract |
本研究は顎関節症患者におけるストレスと症状の変動を時系列的に解析し、両者の因果関係を明確にすることが目的である。この目的の遂行に際し、本年度は日常生活において被験者に記録してもらう精神心理学的評価項目の検討を行った。 被験者は東北大学歯学部附属病院に来院している顎関節症患者のなかで、本研究参加の同意が得られた20名とした。各被験者には連続した7日間、起床から就寝まで約2時間毎に顎関節症症状の強さに関する質問(4項目)と状態不安の評価に必要な質問(20項目)の回答結果、ならびにVisual Analog Scale(VAS)を用いたストレスの評価結果を携帯情報端末装置に入力させた。 その結果、1回(計25項目)の入力に要する時問は5〜10分となり、被験者の負担が大きいことが示された。一方、全被験者の全記録を用いて状態不安とストレスの日内変動を検索した結果、ともに日中で高く、深夜に低い傾向が認められた。また、状態不安が高くなるほどストレスのVASも有意に増大しており、両者の相関係数は0.54と弱いながらも有意な正の相関が認められた。さらに、状態不安、ストレスのVASの大きさと顎関節症の4臨床症状(自発痛、運動痛、開口障害、関節雑音)の強さとの相関係数を算出したところ、いずれの臨床症状においてもストレスとの相関係数が状態不安との相関係数よりも大きくなっていた。 以上の結果から、日常生活において被験者の行うデータ記録が簡素化され、なおかつ顎関節症症状との関連性が高い精神心理学的因子の定量的評価項目として、状態不安よりもストレスのVASが優れていることが明らかとなった。
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