2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15791120
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
竹石 英之 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (10345514)
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Keywords | 亜鉛欠乏 / 味蕾 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究では,8週齢Wistar系雄性ラット24匹を用いた.実験群には亜鉛欠乏試験用飼料(オリエンタル酵母工業),コントロール群にはMF粉末飼料を用いた.なお,実験期間中は食餌摂食量,飲水量に関して特に制限を設けず,自由に摂取できる環境下で飼育した. 1.肉眼的所見 実験開始3週目頃より,実験群とコントロール群との体重増加に差が生じ,実験群ではかなり緩やかな体重増加傾向を示した.また実験群では3週目頃より体毛の立毛が認められ,さらに実験期間が延びるにつれて頚部,背部における脱毛や眼瞼周囲に皮膚症状を生じるラットも出現した. 2.組織形態学的所見 実験開始後,3,6,9週で4%パラホルムアルデヒド固定液にて灌流固定を行い,舌の有郭乳頭を含む部分を摘出した.これらの試料は通法に従いパラフィン包埋を行い,厚さ4.5μmのパラフィン切片を作製後,H-E染色,TUNEL法による免疫染色を行った.H-E染色では実験群において経時的に多少の味蕾数の減少が認められたが,味蕾の形態には差異が認められなかった.またTUNEL法による染色では,実験群においてTUNEL陽性を呈する細胞数が経時的に増加している傾向があり,中にはクロマチンの凝集やアポトーシス小体の形成など特徴的な像を示しているものも観察された.実験開始3,9週において味蕾1個に含まれるアポトーシス陽性細胞の数を算出し,統計処理を行ったところ,実験群において有意差が認められた.また一部の試料はPoly/Bedに包埋し,超薄切片を作成し,透過型電子顕微鏡にてアポトーシスの微細構造,また基底細胞の動態およびその周囲に存在する神経線維との関連について検討中である.
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