Research Abstract |
1.目的 高齢者の誤飲による嚥下性肺炎が報告されている.また,下顎位における咬合高径の変化と耳管機能の関連が報告されている.しかしながら,水平的な下顎位の偏位との関連性については明らかではない.そのため,水平的下顎位と耳管機能との関連の解明を目的として,音響性耳管機能検査法を用いて,下顎位の水平的な下顎位偏位における耳管機能評価の検討を行う。 2.方法 被検者は,研究内容・主旨の十分な説明を行い,インフォームドコンセントの得られた健常成人有歯顎者を対象とした.耳管機能の測定には音響耳管検査装置ET-500(永島医科器械)を用いた.耳管機能の測定方法は,嚥下で耳管が開大している耳管開閉持続時間(DURATION:以下,DUR)および耳管開大による外耳道の音圧変化量(AMPLITUDE:以下,AMP)の測定を行い,数値化を行った. 測定下顎位は,コントロールとして咬頭嵌合位での測定,下顎位の偏位では前方位,作業側,非作業側の各下顎位における耳管機能測定を行った.なお,被検耳は全て左側とし,被検耳の内訳は,前方位8耳,作業側11耳,非作業側11耳で各群それぞれを測定し,数値化を行った. 3.結果 前方位ではDUR595.0(201.2)msec, AMP21.3(8.6)dB,そのコントロールDUR557.5(258.7)msec, AMP19.5(8.5)dB,作業側ではDUR410.9(176.5)msec, AMP14.5(10.3),そのコントロールDUR591.4(474.4)msec, AMP19.6(11.2)dB,非作業側ではDUR633.6(383.6)msec, AMP21.0(9.3)dB,そのコントロールDUR551.5(210.4)msec, AMP19.9(6.0)dBであった。 4.次年度研究計画 水平的下顎位偏位と耳管機能との関連性の検討を行う予定である.
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