2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症におけるシクロオキシナーゼの関与について-臨床所見・画像検査との関係-
Project/Area Number |
15791165
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
藤田 宏人 島根大学, 医学部, 助手 (90335563)
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Keywords | 顎関節症 / シクロオクシナーゼ / 関節滑液 / 開口障害 / 顎関節痛 / MRI検査 / 滑膜炎 / 関節円板 |
Research Abstract |
顎関節症患者の滑膜炎および繊維性癒着の有無とその範囲,ならびに関節腔内の変化について顎関節鏡視検査を施行した。鏡視検査にはファイバーテック社製ファイバーイメージングシステムFT-201および同社製ソリッドファイバースコープMS611S(TF3-105)を用いた。15年度は7例7関節、16年度は5例5関節に施行した。またこのときに採取に際し、インフォームドコンセントのうえ同意の得られた患者のみ、顎関節滑液および滑膜組織の採取を行った。関節滑液は,原則的に希釈せず原液採取を基本とするが,原液が採取困難な場合は,生理食塩水を用いた希釈採取とした。今回、顎関節鏡視施行した症例は、全例に開口障害を認め、12例中2例に関節雑音、12例中10例が顎関節部の運動痛を有していた。顎関節症症型分類は全例IIIb型であった。鏡視検査所見としては、12例中8例に滑膜炎所見を認め、12例中9例には上関節腔外側に限局した線維性癒着所見を認めた。一方、ヒト抗COX(シクロオキシナーゼ)抗体にて関節滑液中のCOXの検出を行い12例中4例で検出されたが、他の8例は検出限界以下だった。COXが検出された4例は臨床症状として開口障害および顎関節痛を有しており、また、鏡視所見では滑膜炎所見がみられた。これらは統計学的に有意差は認められなかったが、顎関節症、そのなかでも顎関節腔内での炎症とCOXの関連を示唆できる可能性があると考えられた。
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