2003 Fiscal Year Annual Research Report
アロマセラピーにおける鎮静効果の科学的検討と歯科恐怖症患者への臨床応用について
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15791177
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岸田 朋子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80347096)
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Keywords | アロマテラピー / 自律神経 / 脳循環 / 脳代謝 / 匂い |
Research Abstract |
1.アロマセラピーに関する基礎調査 大学研究機関、食品業界、化粧品業界など様々な分野において"匂い"の研究が盛んに行われており、その最先端の情報収集を行った。食品業界ではフレーバー添加によるヒット商品の開発、香料業界ではトイレの悪臭に対する消臭芳香剤開発、健康増進関連業界ではグレープフルーツの香りの痩身効果に着目し、グレープフルーツの香り加工をしたストッキングを最近開発していることがわかった。しかし、嗅覚の研究は始まったばかりで、実験手法もはっきりと確立されておらず、特に植物精油の神経系への作用は不明な点が多く、基礎的研究の必要性が示唆された。 2.植物精油の神経系への作用に関する研究手法の検討 (1) 脳波・心電リアルタイム解析システム(MemCalc/Makin2,GMS,Japan)を用いて副交感神経遮断薬である硫酸アトロピン筋注後の自律神経活動を測定した。副交感神軽系(迷走神経)の活動に対する指標のHFめ減少を観察し、このモニターが自律神経系のモニターとして信頼性が高いことが示唆された。このモニターを用いて次年度に各種植物鉱油が自律神経系に及ぼす影響を検討する。 (2) 脳組織血流・酸素代謝に関する測定機器の検討 レーザー組織酸素モニター(OMEGAMONITOR,BOM-L1TRW,OMEGAWAVE,Japan)を用いて過換気により脳血管を収縮させて前頭部より2cm〜4cm下の脳組織血流・酸素代謝に関する測定を行った。過呼吸開始後より酸化ヘモグロビンは減少、還元ヘモグロビンは増加、全ヘモグロビンは減少し、脳血流量の減少が示唆され、このモニターの脳組織血流及び酸素代謝を検討するモニターとして信頼性が高いという結論が得られた。このモニターを用いて各植物製油の嗅刺激が脳循環に及ぼす影響を検討する。
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