2003 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面先天異常の発症に関与する疾患感受性遺伝子を探る
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15791186
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
志田 裕子 明海大学, 歯学部, 助手 (90343459)
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Keywords | 顎顔面先天異常 / 遺伝学 / HLA / 多型解析 |
Research Abstract |
本学の倫理委員会の承認した書式にもとづき、充分なインフォームドコンセントをおこなって血液の提供をうけ、DNAを抽出した。 (1)NOTCH4変異解析 NOTCH4のシグナルペプタイドにはマイクロサテライト多型(CTG repeat)があり、リピート数と様々な疾患との関連が調べられている。日本人健常者では、R6、R9、R10、R11の4つのアリルが報告されている。NOTCH4遺伝子のみの異常で発生異常がおこること、および、アリルが4つ存在し、マーカーとして用いることが可能であることから、感受性候補遺伝子として解析を行っている。PCR増幅後、DNA断片を電気泳動し、染色して、増幅の確認を行った。増幅断片を調整し、その後95℃でdenatureを行ったABI377sequencerを用いて、電気泳動を行い、その結果をGENESCANを用いて解析した。 2)NOTCH4のシグナルペプタイドに存在する(CTG)repeat数の多型解析 (CTG)repeat数に関してはこれまでR6、R9、R10、R11の4つのアリルの報告があったが、今回の研究で、新たにR13アリルが発見された。CL/Pとの関連については、どのサブタイプについてもR11および、R13アリルの増加傾向、R10アリルの減少傾向がみられたが、現在解析中である。しかし、B-CL/PとL-CL/Pを、R9アリルについて比較すると、P=0.0681と、有意水準に近い差がみられた。以上の結果から、NOTCH4よりHLA-DRB1側に、CL/Pの疾患感受性遺伝子と、裂型(サブタイプ)の決定に関与する遺伝子の存在の可能性が示されている。今後は男女差、症状別にも解析を行う。また、これまでのHLA遺伝子そのものの情報を解析に加え、より感受性の強い領域を絞り込んでゆき、さらにマイクロサテライトマーカーや、多型マーカー等を用いた実験系を併用して原因遺伝子の発見に努める予定である。
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Research Products
(1 results)