2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔外科手術におけるSIRSの発現に関する研究-特に術後合併症との関連について-
Project/Area Number |
15791188
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
笠原 清弘 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30317911)
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Keywords | SIRS / 口腔外科手術 / 顎変形症 / 術後合併症 / IL-6 |
Research Abstract |
東京歯科大学千葉病院において手術を行った口腔外科手術症例中、今年度は顎変形症において検索を行った(昨年度は口腔癌)。対象はLe Fort I+SSRO以上の顎矯正手術を行った55例(男性12例、女性43例)とした。年齢は平均23.6歳であった。 術直後より体温、心拍数、呼吸数、および白血球数を経時的に測定した。次いでSIRS診断基準のうち2項目以上を満たし、その状態が24時間以上持続した群をSIRS群、その他を非SIRS群とした。これらの症例に対し・手術術式との関連・SIRS群と非SIRS群との比較(年齢、手術時間、出血量、術後の合併症発生率)について検討した。統計学的有意差検定にはspss-マン・ホイットニー検定を用いた。さらにSIRSは高サイトカイン血症であるとの見地から、術前・術後の血中インターロイキン6(以下IL-6と略す)を測定した。 以下に本研究で得られた結果の概要を示す。 1.SIRSのは49.1%(口腔癌では45.5%)にみられ、非SIRS群と比較して年齢、出血量、に有意差は認められなかったが、手術時間はSIRS群のほうが有意に長かった。 2.SIRS群では22.2%(口腔癌では56.0%)に術後合併症の発生がみられ、非SIRS群では0.0%(口腔癌では6.7%)であり、両者間に有意差が認められた。 3.SIRS群の術後合併症は創の感染3例、創の癒合不全1例、口唇ヘルペス1例、および咽頭炎1例であった。 4.SIRS持続日数と術後合併症発生率には有意差のある相関は認められなかった。 5.炎症性サイトカインの一つであるIL-6の値は、SIRSの発現に大きく関与していることが示唆された。 6.顎矯正手術においてもSIRS群を選択し、術後合併症の発生を考慮にいれた注意深い患者管理が大切であると考えられた。
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Research Products
(1 results)