2005 Fiscal Year Annual Research Report
即時荷重インプラント周囲骨のマイクロCTと骨組織標本による比較検討
Project/Area Number |
15791198
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
森田 雅之 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50308384)
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Keywords | 即時負荷 / デンタルインプラント / ビーグル犬 / マイクロCT / 骨組織標本 |
Research Abstract |
インプラント治療期間短縮のため近年早期加重負荷が多用されるようになったが、現在のところ埋入時の初期固定力、上部構造形態、咬合圧等において早期加重負荷を行うための明確な判断基準がない。この研究では即時加重負荷の適否を判定するための基礎データを得ることを目的とした。 方法:対象は成熟雌ビーグル犬3頭で、下顎骨両側にReplace Select Straight Implant(Electro-oxidized surface φ3.5mm×10mm)を各3本埋入し、片側3本はインプラントを連結する上部構造、反対側3本中2本は単冠の上部構造をそれぞれ装着し、即日から咬合圧を負荷した。残りの1本は対照とした。咬合負荷開始後の初期の骨変化を明らかにするため、埋入4日目に2頭、7日目に1頭をペントバルビタール静脈内大量投与によって屠殺、下顎骨を摘出しマイクロCTを撮影した。固定した下顎骨は通法に従って非脱灰研磨標本とし、トルイジンブルー染色を行って光学顕微鏡で観察を行った。 結果:埋入4日目のものは、インプラントのスレッドは既存骨と接触している部分が多く、空隙部に類骨の形成が認められたが、上部構造の違いによる明らかな差は認めなかった。埋入7日目のものでは、皮質骨部分においてインプラントのスレッドは既存骨と接触していたが、海綿骨部ではスレッド部と直接接触しているのは、既存骨より類骨の方が多くなっていた。上部構造形態の違いによる差は認めなかった。対象では、埋入4日目、埋入7日目の両群共に類骨の形成は少なく、ほとんど差を認めることはできなかった。マイクロCTでは既存骨との接触状態が観察でき、既存骨とインプラントのスレッド部が近接している部位では、類骨が形成されていることが光学顕微鏡で観察できた。咬合負荷を行った方がそうでないものより、初期の段階で類骨の形成が多くなっていることが認められた。
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