2003 Fiscal Year Annual Research Report
等温遺伝子増幅法を応用したチェアーサイドでの歯周病細菌簡易検査法の確立
Project/Area Number |
15791237
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 博史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00274001)
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Keywords | 歯周病細菌 / 等温遺伝子増幅法 / LAMP / 歯周病細菌検査 / Porphyromonas gingivalis / 16S ribosomal RNA / 目視判定 |
Research Abstract |
歯周病の診断と治療に細菌検査は重要である。現在,歯周病細菌検査の主流となっているPCR法は特異性,感度ともに優れている。培養法と比べると検出に要する時間と労力も少ない。しかし,PCR法を行うにはサーマルサイクラーのような特別な機器を必要とし,歯周病細菌検査は大学病院など研究室を備えた一部の診療所のみで行われているのが現状である。本研究は新しく開発された遺伝子増幅法(等温遺伝子増幅法:LAMP法)を歯周病細菌検査に応用しようとするものであり,本年度(H15)は以下の実験結果を得た。 1.歯周病細菌Porphyromonas gingivalisの16SrRNA遺伝子をターゲットとして,LAMP法のための特異プライマーを設計した。 2.設計したプライマーを用いてターゲット遺伝子増幅のための条件設定を行った。 3.至適条件下でLAMP法は5コピーのターゲット遺伝子を30分で検出可能な量に増幅した。ターゲット以外の口腔内細菌を鋳型として用いた場合,増幅反応は起こらず,P.gingivalis検出のためのLAMP法が高い特異性をもっていることが示された。 4.増幅した遺伝子はSYBR Greenの添加によって目視による検出が可能であった。 5.LAMP反応液中にSYBR Green Iを添加し,反応中の蛍光発色量をreal-time monitoringして,LAMP法の定量性を調べた結果,従来のreal-time PCR法と同程度の定量性のあることが分った。 次年度の課題として,鋳型DNAの純度がどの程度要求されるのかを調べ,LAMP法によるチェアーサイドでの歯周病細菌簡易検査法の確立を目指す。
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