2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波診断装置による舌ならびに舌骨の運動解析-ポータブルタイプUSによる摂食・嚥下障害者への応用-
Project/Area Number |
15791258
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石田 僚 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00327933)
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Keywords | 摂食・嚥下障害 / 超音波診断装置 / 舌 / 舌骨 / スクリーニング / 舌癌 / パーキンソン病 / 脳性麻痺 |
Research Abstract |
初年度に確立した超音波診断装置(以下USとする)による舌と舌骨の運動評価法に従い、本年度は摂食・嚥下障害の臨床現場で応用し、USのB-modeによるスクリーニング法の確立を目的とした。 1.対象患者 準備期/口腔期の障害が疑われる患者で、特に食物の口腔内残留や舌の異常運動パターンの確定診断を行いたい者が対象となる。本研究での対象患者の原疾患は舌癌術後、パーキンソン病、脳性麻痺であった。 2.USによる評価項目 本研究では、下記のごとく描出断面ごとに評価項目を設定し、定性解析(^*については定量解析)を行った。評価時のタスクは初年度で使用した段階的フードテスト(FT)、反復唾液嚥下テスト(RSST)、改訂水飲みテスト(MWST)とした。定量解析には二次元画像解析ソフトウェア2D-PTV(Digimo)を使用した。 (1)矢状断:食塊移送時の蠕動様運動^*(前方部・中央部・後方部) (2)前額断:左右差^*(左側・中央・右側) 食塊移送時の舌正中の陥凹 (3)全体:運動の円滑さ 嚥下時の口蓋への挙上程度 食塊移送時の反復運動 3.評価結果 患者ごとに数ヶ月後にUSで再評価を行い、舌運動の定性・定量解析を行った。その結果、いずれもB-modeから機能障害の状態が観察可能であった。舌癌術後患者では、経過と共に切除部位であった舌前方部分の機能回復など、舌による処理動作の改善が観察できた。パーキンソン病で深部知覚刺激(STN-DBS)施行者では、STN-DBSのOn or Offによる舌運動性の違いが観察できた。 本法ではUSのB-modeによる舌直接観察から、病態の特徴、訓練経過に伴う運動性の変化が分かるとともに、定量解析も可能で、より説得力が得られた。USは手技の簡便性、操作性、対象者への安全性から、訓練途上での再評価にも十分活用可能な検査手段と思われる。
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Research Products
(1 results)