2005 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護職における法的責任認識の発達・向上に関する縦断研究
Project/Area Number |
15791285
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
綿貫 恵美子 北里大学, 看護学部, 講師 (80327452)
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Keywords | 法的責任 / 責任認識 / 看護職 / 看護教育 / 医療事故 |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたる本年度は、事前の計画通り過去の調査対象である看護系大学卒業生、及び今後のフォローアップ対象とする看護学部在籍中の4年生を対象に、第5回の自記式質問紙調査を実施した。調査項目は昨年度と同様とし、時期は10〜12月とした。調査の配付・回収状況は、卒業生107名に対し回収76(回収率71.0%)、4年生121名に対し回収49(40.5%)であった。1月末に回答のデータ入力が終了し、データのクリーニング・統計解析用のデータ変換作業を行って、大まかな解析結果を得た段階である。本研究は貴補助金の助成終了後も引き続き3年後まで調査を継続する計画であるが、現在までのデータの解析結果から、看護学生から卒後2年目までの法的責任認識の経年変化に関して次の知見が得られた。(1)法的責任認識の経年変化は、事故事例に基づく判断である実際的な法的責任判断において谷型の有意な変化を示したが、大きな得点差は示さなかった。谷型の変化であったことから、臨床経験の蓄積・看護実践能力の向上により3年目にさらに上昇する可能性が予測された。(2)法的責任認識への影響要因として、「入学形態(他大学卒業後の入学)」、在学中の「法学講義の受講」「実習中の事故経験」「事故への関心」「事故・看護職の責任の学習意欲」、就職後の「職種(看護師・保健師)」「部署の勉強会頻度」「部署の事故頻度」が挙げられた。但し、これらの影響は責任認識を年々向上させたり、大幅な向上・低下をもたらすものではなかった。得られた結果は、縦断調査での標本脱落による分析対象数の減少、これに伴う比較した群の人数の偏り、ベースラインによる調整不能などの影響を受けていると考えられる。よって残りの調査期間で分析対象を増やし、結果の検証を行う予定である。
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Research Products
(1 results)