2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15791286
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
佐居 由美 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (10297070)
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Keywords | 安楽 / 看護 / Comfort / 看護実践 / 構造化 |
Research Abstract |
看護において「安楽」という用語は「安全」と共に看護の目的とされ、実践場面においても、看護目標等に多用されている言葉である。「安全」は「(患者の)生命を守ること」と、その意味することが比較的わかりやすいのに対し、「安楽」は抽象的な言葉であり、使用者によって意味が異なっていた経験がしばしばある。また、日常生活おいては、「安楽」という言葉は、ほとんど使用されていない。「安楽」という言葉が、看護領域で用いられている専門用語(technical term)であるならば、その専門用語の意味を明らかにすることは、看護学にとって必要であると考えられる。先行研究では、看護領域において用いられている「安楽」という用語の特性を、文献と実践場面の両側面から検討している(佐居2002)^<1)>。その結果、(1)用語の特性として、多義性・抽象性・固有性・臨床性・広範囲性・患者の主観性・看護技術性・快の含有性が抽出され、(2)対象となった看護師は日常的に安楽を考えケアしていること等が示された。 そこで、本研究では、看護師が提供している安楽なケア場面に着目し、看護師がどのように安楽を認識し実践しているかを知り安楽なケアの構造化を行うこととした。本研究の目的は、(1)看護実践場面における安楽なケアの提供場面の様相(認識と実践)を明らかにする。(2)(1)を踏まえ、看護実践場面における安楽なケアの構造化を試みる。の2点である。 平成15年度は当初の計画どおりデータ収集を行った。なお、本研究計画は、研究者所属する教育機関の研究倫理審査委員会の承認を得ている。データ収集は半構成的質問紙による面接法にて、病棟看護師40名に対して行った。研究依頼時には、研究協力は自由意志によること、プライバシーが守られること、等の倫理的配慮について口頭及び書面で伝え同意を得た。面接にあたっては、「ここ一ヶ月の看護場面で、患者に"安楽"なケアを提供した場面」「看護実践場面においての安楽の認識度合」「看護実践場面における安楽」「安楽の判断理由・根拠」「安楽であるための条件」等で構成されているインタビューガイドを使用した。 1)佐居由美:看護領域で使われている「安楽」という用語の意味するもの 〜和文献と実践場面で使用されている側面から〜、2002年聖路加看護大学修士論文(学会誌投稿中)
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