2003 Fiscal Year Annual Research Report
産褥早期の母親の出産体験の意味づけを促す援助技法に関する研究
Project/Area Number |
15791290
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
國清 恭子 群馬大学, 医学部, 助手 (90334101)
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Keywords | 出産体験 / 産褥早期 / 心理的健康 / 意味づけ |
Research Abstract |
平成15年度は、産褥早期と産後1ヶ月までの母親の出産体験の内容と意味づけの変化をとらえ、出産後の母親の心理的健康を高める援助のあり方を検討する資料を得ることを目的に、初産婦2名を対象に縦断的な面接調査が実施された。分娩後入院期間中と退院後から産後1ヶ月以内の計2回、「あなたの出産体験はどうでしたか」と問いかけた後自由に語ってもらい、最後に「自分の出産に対して自己採点すると何点ですか、その理由は何ですか」「出産体験のお話しをされて、今のお気持ちはいかがでしたか」と問いかけることにより、物語ることの効果を確認した。その結果、出産体験の物語構成による振り返りによって、心理的変化が認められた。1回目は事実を話す、気持ちを言葉に出すという内容であり、自己評価も低かったが、2回目には自己を認める発言が聞かれ自分なりの意味づけがされた物語となって構成されていた。出産体験について語ることによって自分の中にある感覚や感情が明確化され、すっきりと気持ちが晴れる体験をし、そこから自己を肯定的にとらえ、意味づけし、肯定的な出産体験の意味づけにつながったと考えられ、心理的健康を高める視点からも出産体験を物語ることは有意義であると示唆された。出産体験の物語化の援助のあり方としては、聞き手の存在の必要性と聞き手の関わりの重要性が示唆された。聞き手の関わりとして、話の内容とその背景にある感情に注意を向け、母親が解釈していることは何か、どのように意味づけしているかをアセスメントし、共感的な態度で接すること、出産前から、出産、出産後の一連の流れに沿って話を聞き、産褥早期には出産全体の振り返りを促し、退院後1ヶ月以内には自己が客観視できているか、新しい生活を受け入れているかを確認する援助が必要であると考えられた。
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