2005 Fiscal Year Annual Research Report
産褥早期の母親の出産体験の意味づけを促す援助技法に関する研究
Project/Area Number |
15791290
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
國清 恭子 群馬大学, 医学部, 助手 (90334101)
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Keywords | 出産体験 / 意味づけ / Locus of Control |
Research Abstract |
平成16年度の研究結果より,母親の出産体験のとらえ方の指標としてLocus of Controlを活用でき,出産体験の意味づけを促す援助につなげていける可能性が示唆された。 そこで,平成17年度は,Locus of Controlを活用した出産体験の意味づけを促す具体的な援助を検討することを目的とし,産褥早期の母親10名を対象に半構成的面接により得られたデータを質的に分析した。 その結果,自分自身をコントロールできなかった,出産がうまくいかなかったのは自分の力不足のせいだと,内的統制に対する自信を喪失しているような母親に対しては,出産は運や自然の力による結果だということを意識づけ,内的統制から外的統制へのシフトを促すこと,また,結果ではなく出産までのプロセスにおいて,頑張った自分への意識づけや評価により,内的統制への自信を回復させること,などの意味づけの援助が有効と考えられた。また,家族や専門家は自分が働きかけて状況を変化させることも可能であるため,他者による外的統制に頼ったとしても,ある程度のコントロール感覚を持ちうる。したがって,母親が自分自身についてコントロールするために,家族や専門家などの他者の力を有効に活用することできた,他者の力を集めて自分の力として発揮させることができたのは,結局は母親自身の力であると評価してあげることにより,自分の力を発揮した出産として意味づけられ,出産の満足感を高められると考えられた。また,おなかの中の子どもを,母親の統制下にはない別の人格であり,生まれ出ようとする意志と力をもった個の存在と認めて,子どもに任せることは,外的統制へのシフトをより前向きにとらえて,肯定的な意味づけを促す場合もあると考えられた。
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