2003 Fiscal Year Annual Research Report
慢性膵炎術後患者の食生活・飲酒習慣の変化に関する研究
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15791300
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
阿部 多鶴 神戸大学, 医学部, 助手 (90335456)
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Keywords | 慢性膵炎術後 / 食生活 / 飲酒習慣 |
Research Abstract |
本研究目的は、慢性膵炎術後患者の術前から現在までの食生活・飲酒習慣の変化とそれらに関連する身体状況、職業生活の変化、ならびに心理社会的背景について明らかにすることである。また1.食生活・飲酒習慣の変化に関する面接調査とそれらのカテゴリー化、2.1に関連する身体状況、職業生活の変化、心理社会的背景などの調査を行った。以下、現在までの経過と得られた知見について報告する。 1.現在までに10例の慢性膵炎術後患者からデータを得た。面接内容の分析から、術前の食生活は主に「早食い」や「過食」「脂質の多い食事」といった傾向がみられた。また、腹痛などの症状出現時は、油物を控えるなどの摂取制限や調整を、飲酒は、禁酒あるいは、飲酒摂取量を控えるなどの調整を行っていた。 2.術後の患者の身体状況は、手術や時間的経過によって術前の身体症状(腹痛など)の軽減・消失が認めちれた。また術後の身体不快症状のコントロールや二次性糖尿病・膵炎再燃予防のために「油物・肉類を控える」などの食事調整を行っていた。その結果患者は、術後約半年の時期に「体調の回復感」を経験していた。さらに「体調の回復感」に伴い、制限していた「油物・肉類を食べる試み」という行動が認められた。その後無症状の場合、摂取制限していたものを徐々に食べる「食事制限の緩み」という行動へと変化した。また食生活は、職場復帰による生活の変化、飲酒制限による嗜好の変化などにも影響されていた。飲酒習慣も、「食事制限の緩み」がみられた時期とほぼ同時期に認められ、職場復帰による影響も受けていた。 今後は、さらに例数を重ね食生活・飲酒習慣の変化と栄養摂取状況、心理社会的背景について統計的に分析し、関連を明らかにする予定である。
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