2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15791304
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
笠柄 みどり 島根大学, 医学部, 助手 (00335564)
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Keywords | 小児がん / 小児がん患児のきょうだい / グリーフケア / サポートグループ |
Research Abstract |
本研究の目的は、小児がん患児を亡くした同胞が成長過程においてどのような問題を抱えているのかを探り、その援助として必要なことは何かを検討することである。 1)サポートグループ同胞の会開催 2003年8月9日(土)会議室のあるボーリング場にてサポートグループ同胞の会を開催した。事前に研究の主旨を説明した文章(親用、子ども用)を郵送し、研究参加に同意を得た上で、その様子を参加観察した。参加者は15歳(中3)の女児・10歳(小5)の女児とその母親2名、サポートグループのボランティア1名、看護学科学生ボランティア5名、研究者2名の計12名であった。最初会議室にて簡単なゲームと自己紹介をしてから、絵本「わすれられないおくりもの」の読み聞かせを行い、子どもと大人に別れて、感想を話し合った。最後にみんなでボーリングゲームを行ない、同胞と母親の言動、スタッフとの関わりを記録し、内容を分析した。 2)面接調査 対象:S県内のサポートグループ(子どもを小児がんで亡くした家族の会)同胞の会に参加し、面接の協力が得られた同胞2名。方法:サポートグループ同胞の会参加後、研究の主旨を説明し、研究参加に同意を得た上で自宅を訪問し、半構成的面接法で面接を行った。また、ターミナルケアやグリーフケアにおける文献を参考に絵本2冊『おにいちゃんが病気になったその日から』(佐川奈津子文、小学館)『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ作・絵、評論社)を選定し、事前に渡して読んでもらい、感想を尋ねた。面接内容は承諾を得た上でテープに録音し、逐語録とした。内容は、(1)入院中のこと、(2)患児の病気について、(3)患児が亡くなった直後のこと、(4)現在のこと、(5)絵本についてに分類し、分析した。 来年度も継続してサポートグループ同胞の会を開催し、同胞への面接調査を行ってさらにデータを蓄積し、同胞の抱える問題点を抽出し、支援策を検討していく予定である。
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