2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク治療計画への子どもの参加に対する親の考えと関わりの変化とその要因
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15791305
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野村 佳代 岡山大学, 医学部, 助手 (90335589)
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Keywords | 子どもの意思決定 / 親の関わり / 造血幹細胞移植 / プロスペクティブスタディ |
Research Abstract |
ハイリスク治療における子どもの権利の尊重や治療への参加の促しは重要であるが、子どもの認知能力の限界とともに親の関わりの影響が問題となることから造血幹細胞移植の意思決定への子どもの参加に大きく影響する親の関わりの要素と過程を探求する目的で、移植前の子どもの親を対象に質的帰納的方法でのプロスペクティブスタディを実施したが、実際は親の関わりは、子どもの意思決定を促すものではなく、治療への受け入れを促す過程であり、子どもからの拒否は想定していないことが明らかになった。これらの子どもの治療への受け入れを促すために、これまで考えられてきた"これまでの子ども姿"から"子どもの決断力の見極め""促しへの子どもの反応の予測"を考えるが、これらの子ども側の要因だけでなく、"移植の受けとめ"によって"関わりへの信念""向き合えない親の心理"などの親側の要因も生じている。これらの親側と子どもの側の要因から"意思決定への子どもの参加に対する親の見解"が導かれていた。そしてさらに、これら全ての要因を勘案して、実際の親の行動である"子どもの受け入れへの促し""受け入れの確かめ"の円環プロセスに続くことが見出された。この子ども側の要因や親側の要因から、実際の行動を導く過程を"子どもの治療計画受け入れへの親の駆け引き"と定義した。 なた実際の行動である"子どもの受け入れへの促し"については、さまざまな特性が影響しあって、受け入れの促し方が形成されている。これらの促し方は、促しのきっかけや主たる促しを行う人物、子どもへの情報提供の仕方などにおいて、特徴が見られており、それらについては、検討中である。
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