2003 Fiscal Year Annual Research Report
病棟看護師による患者の在宅療養選択に向けた看護介入方法の検討
Project/Area Number |
15791317
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
広瀬 会里 愛知県立看護大学, 看護学科, 講師 (90269514)
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Keywords | 退院 / 意思決定 / 看護師 / 在宅 / ADL / 医療処置 / 社会資源 / 看護介入 |
Research Abstract |
退院後の療養先を患者が自らの状況を踏まえた上で選択し決定するとその後のQOLは向上する。また多くの患者の療養先希望は自宅である事が既に報告されている。しかし医療処置が必要だったりADL低下が著しいと、患者は在宅療養の選択肢を見失う。A病院での昨年の研究では看護師は医療政策の方向が在宅と知りつつ、無理という思い込みで在宅を選択肢にしていなかった。その背景には必要なケアを事前に査定できない、ゴール設定の不足、使える社会資源を知らない等の問題が、看護師を含む医療者側と利用者である患者・家族側の双方にあった。そこで、今年度はA病院での先行研究の結果である「患者の意思決定を促す看護の基盤としての看護師の姿勢」をチェックリスト化し在宅移行に向けた患者への介入を看護師長推薦の看護師6名の協力を得て介入を試みた。目的は、患者が在宅療養を選択した意志決定のプロセスと患者への看護師のかかわりを明らかにすることだった。しかし、チェックリストを用いた介入はケース数が十分に確保できなかった。そこでリストの見直しや退院援助の実際について看護師長へインタビューを行った。結果、(1)退院援助の介入を必要とする患者であるという認識が入院初期から持てていない、(2)介入の成功例は初回入院患者ではない。つまり、成功するには前回入院時の情報や、退院時トラブルの経験で介入の必要性を認識する、等が必要なことがわかった。これにより入院時に看護師長がスクリーニングし退院援助必要者の選定を行う、ADLの変化を一覧できるチェックリスト(Barthel Index改変版、IADL)の記載を徹底するなど改善を行った。今後はチェックリストを用いた介入件数を増やし、時期別の介入:情報収集、家族アプローチ、ADL査定、退院後ゴール設定等の手順を明らかにして、病棟看護師でも順次行えるようなフローシートの作成をめざす。
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